ごく普通のサラリーマンのサイクルロードレース

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S-Works VengeとS-Works Tarmac SL7の違いについて

幸せなことにS-Works VengeとS-Works Tarmac SL7の両方に乗ることが出来ました。

さらに幸せなのは同時に所有する事が出来たことです。

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毎朝走るあのコースをVengeで、そしてTarmacで交互に走る事が出来ます。

結論から申し上げますとTarmac SL7に乗ってもVengeが色褪せる事は無く、良いところを改めて知る事が出来ました。と言うお話です。

とは言え、名も無きサラリーマン・サイクリストの極々ささやかな感想であります。

是非生暖かい目でお読み頂ければ幸いです。

 

使用したパーツについて

ホイールはVengeもTarmac SL7も同じROVAL CL50を使用した際の感想となります。

最近はVengeにPrimeのホイールを履かせていたりもします。

タイヤもチューブも銘柄、サイズ共に同じものです。

ハンドルはVengeがAerofly2、Tarmac SL7がその後継となるRoval Rapide Handlebarsを使用しております。

サドルがきっと1番の相違点であると言っても過言ではありません。

VengeがPROのStealth Carbon SLに対してTarmac SL7にはS-WORKS POWER WITH MIRROR SADDLE(以下:ミラーサドル)を装着しております。

乗り味に関してはこの辺りを考慮と言うか含めた感想となりますのでご了承ください。

 

S-Works Vengeについて

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今年で買って2年になります。

フレームセットで購入し、R9170で組みました。

途中軽量化の為に色々とパーツ交換をしましたが今はクランクをS-Works Power Crankにデュラのチェーンリングを装着したものを使っている以外はほぼノーマルの仕様です。

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時期的な事もありレースには数える程しか参加出来ておりません。

そんなVengも走行距離は20,000kmを超えました。

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当初の感想:S- Works Venge

買った当時はその速さに心を奪われており毎日が楽しくて仕方ありませんでした。

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怪我をして復帰した当初と言う事もありVengeのお陰で前向きにロードバイクに乗る事が出来ておりました。

この点、本当にVengeには感謝しております。

冷静に見れるようになった今、Vengeの印象はどう変わったのか?と言うと大きくは変わりません。

ダンシングで大きく進み反発力を使って前に進む事に向いているように感じます。

また降りについては長めのコーナーでは姿勢が安定し気持ち楽に下れるように感じます。反対に切り返しが多くタイトなコーナーはワンテンポ遅れて曲がり安定方向に振ったジオメトリの様に思えます。

 

S- Works Tarmac SL7について

友人から購入した事もあって当初、かなり長い時間試走させて頂き購入させてもらいました。

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購入したのはフレームセット。借りたのはSRAM RED AXSの完成車でした。

そしてフレームセット購入後にコンポ全般をR8100でクランクだけR9200で組んで今に至ります。

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当初の感想:S- Works Tarmac SL7

当初感じていた印象は平坦で伸びる!です。

自分が思い込んでいたTarmac SL7の印象と大きく違うものでした。

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もちろん登りも速いのですが私の乗り方ですとダンシングで登るより軽いギアをシッティングで回した方がより進むように感じました。

ポジションについてはVengeとは違い上半身に少し余裕が感じられます。

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またサドルもミラーと言う事もあり長時間のシッティングにも耐えられます。

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友人から借りた時からこの方向性でしたが改めてシッティングでしっかり踏んでゆけるバイクに仕上がっております。

下りについては非常に安定しており、その点はVengeと遜色無いように感じます。

ただし、Vengeより低速コーナーの切り返しが楽に出来る器用なバイクに感じました。

 

改めてVengeに乗ってみて

2年も乗り続けたこともありVengeの駆動系はだいぶ傷んでいた模様で一度で全ての消耗品を全部交換しました。

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その後で改めてVengeに乗ってみた感想を書いております。

まず最初にTarmac SL7でやっていたシッティング重視の乗り方をVengeでもやってみました。

当たり前ですが普通に伸びてくれます。

でも私個人の感想ですが、反応についてはVengeよりTarmac SL7の方が若干?良く感じます。

きっと思い込みかも知れません。

またダンシングについてはクランクが170mmとTarmac SL7より5mm長いものが装着されている事もあり(長年この長さを使っていることあり)楽々体重を乗せて行けるように感じられます。

Tarmac SL7に乗り、その感覚を意識してVengeに乗ることでVengeの良さを垣間見る事が出来ました。

さて、細かい違いは下記に書き連ねてみます。

長いので箇条書きだけでもお読み頂けば幸いです。

 

両方のバイクを比べて見て

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・Vengeはしなりで進む(進んでくれる気がする)

・Tarmac SL7はケイデンスにリニアに反応する(気がする)

人によっては登りであってもVengeが良いと思う方も居るのではないでしょうか。私はダンシングでゴリゴリ踏んで登るような坂はVengeの方が進むと感じます。

またTarmac SL7については走り出したばかりです。そしてレースにも参加して居らず正確な事は言えないのですが下記のような印象をもっております。

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Tarmac SL7はケイデンスにリニアに反応する感触からきっとアタックへの反応も良いのだろうと考えております。

そして降りについてはVengeに比べてニュートラル・ステア方面の味付けになっているのかなと感じます。

どちらが良いか?はコースによると思いますが普段使いを考えると完全にTarmac SL7に軍配が上がる取り回しやすさです。それが低速コーナーでの曲がり易さに現れているのだと考えます。

またTarmac SL7の評判についてですが脚を使い切ってしまう、疲れる、と話を聞いた事があります。

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しかしながら私にはこのバイクの方が大腿四頭筋を温存できるように思えます。

反対にVengeは踏み込んだパワーがしなりと共に路面に伝わり気持ち良い伸びを感じられます。お陰様で大腿四頭筋を代表とする踏み込む筋肉に頼りがちな乗り方をしてしまいます。

私なりの結論としてTarmac SL7は回した方がスピードに乗せやすいので臀筋、そして回転を維持する為に体幹を締め上げる為の腹筋を使うペダリングの方がバイクに合った乗り方に思えます。

但し、この部分の感想は私個人の乗り方がここ数年で変わって来たことによるところにも依存するのでバイク本来の方向性とは違う可能性もあります。

 

まとめ

ここからは完全に個人の感想ではあります。

漕いでゆくと硬いと感じるTarmac SL7ですが実は乗った瞬間(乗り始めの瞬間に感じられる路面からの入力)や走行中に脚を止めた瞬間にふと柔らかく感じられます。

不思議な感触ですが路面の突き上げもTarmac SL7の方がVengeに比べて少なく感じます。

ここはミラーサドルの効能かも知れません。

こうやってつらつら書いてみて思うのはスペック以外の星取り表をVengeとTarmac SL7で作成すると…きっとその点数の差分は殆ど無いのでは無いかなと思います。

そんな購入して2年経つVengeにこんな満足感を与えてくださるメーカーに感謝しかありません。

更にそんなVengeとは違う答えとして出されたTarmac SL7にも大満足です。

最後に…分野は違えどものづくりに携わる者としてバイクメーカーさんへは感謝と尊敬しかありません。

勝つためのバイクを作ると言う事と、それを製品化する言う相反する2つの要素を清濁飲み込んで世に送り出して下さったことに心より感謝申し上げます。

そして、いつも最後までお読み頂く皆さま、本当にありがとうございます!