S-WORKS Venge Discに於ける異音発生から解決まで
ずっとTwitter上でも呟いておりましたVengeの異音についてですがやっと原因が分かりほぼ解決が見えてきたのでご報告させて頂きます。
原因は?
最初に結論を書きますと…
スパイダーアーム取り付けの緩みでした。
クランクとスパイダーの締め付けが緩んでおり異音が発生しておりました。
原因追求にお付き合い頂きましたForzaの東さま本当にありがとうございました。
真面目に途中、一回諦めかけましたが心強いメールを頂き立ち直れました。
本当にありがとうございます。
さて、これで終わってしまうと勿体ない?ので事の経緯と、何故?このような事態に陥ってしまったのか?と言うことを書いてみたいと思います。
例によって結論的な事はまとめに記載しますので気になる方は1番下までスクロールしてお読み頂ければ幸いです。
原因判明までの道のり
まず音が出始めたのは今年の春くらいです。
それまでは聞いたことのない音。
少しずつ時間が経つにつれて音の質も変わります。
一度、音以外にもメンテナンス時期だと言うこともありいつものショップにオーバーホールに出します。
そこでは音自体を再現させる方が出来なかったのでBBを外して再清掃で完了。
暫く音が出ることはありませんでした。
朝練夜練で病院坂をダンシングでアタックするトレーニングを開始した頃にまたもやミシミシと音が聞こえるようになりました。
お世話になっているショップに持ってゆき「BB辺りから異音が…」とお話しします。
そこでショップの方からペダルやチェーンリングの辺りも視野に入れながら検査いただきます。
色々試した結果多分BBでは無いか?と言うことでBBを発注します。
(紆余曲折ありましたが割愛)
その後BB交換しますが同じような症状が次の日に発生します。
あとは明らかに小さく、そして発生頻度は落ちました。
ただ、乗り続けて行くとカリッ!カリッ!と音が出ます。
ここで今一度、いつものショップに伺ってこのVengeを買ったところに相談に行っても良いか?と聞いてみます。
私の中ではここ重要です。
いつも面倒を見てくださるショップから他に一部でもお世話になる時には理由も添えてお伺いを立てました。
答えはOK!理由が分かったら是非教えてくださいとの事でした。
一路、Forzaへ
Leomoでもお世話になっているForzaさんへ連絡します。
ちなみに私はここで大きなミスをしてしまいます。その理由等はまとめでお話しますがあるがままに書いて行きます。
まずBBから異音がすると言う事、一度バラして見て頂きたいと言う事を連絡しました。
直ぐに快諾頂けたのでクルマに載せて向かいます。
着いて直ぐ、状況を説明します。
異音が発生してBBを交換したこと、最初は出なかったものの交換して直ぐ異音が発生した事。
その場でクランクをバラしてBBを取り外してくれます。
まずBBを取り外すとロックタイト(金属接着剤)が使用されていないのでこれが足りなかった可能性があると言われました。
取り付け時にBBにロックタイトを塗布して取り付けてもらいます。
とりあえず乗ってみてもし音が出るようであればその症状と合わせて連絡くださいとのことでした。
その日はそれで終わり。次の日に夜練でいつものコースへ。
実はコースに行く前から音が発生し始めます。
いつもは長い坂を登る途中に異音が出始めるのですが…この日は普通に平地で、それも信号が変わってスタートするときのダンシングで音が出ます。普通に驚きです。
バイクを止めてブレーキを握り、ペダルを踏むとミシミシと鳴ります。
家に直ぐ帰りペダルを交換します。ペダルを変えても同じ音が発生するのでペダルでは無い模様です。
とりあえず…音が再度発生したことをForzaさんに連絡します。
音の発生状況を聞かれると同時に今のままバイクを触らずに持ってきて欲しいと言われます。
また目の前でその音を鳴らして欲しいと。
異音はすぐにカメラで動画撮影して送りました。上記の動画です。
その際、ローラーで発生させられるのか?との質問を頂きました。
早速ローラーに乗せて見ます。出ます。出てしまいます。
ここでふと、R9100クランクを使っている時には発生しなかったなぁと思い出します。
そこで一度、手持ちのクランクに変更しようと思い立ちます。
やってみるとクランクの1番大きなボルトを回しても最後の最後で安全ピン?かあり外れません…無理に外すと壊れそうなので一旦ヤメテ締め直します。
すると不思議…音が止みました。
*クランクを締め直すことでスパイダーの緩みを外から押し付けて一時的に音が鳴り止んだ?のかも知れません。
ちなみにこの経緯もForzaさんに連絡します。
とりあえず触らずに持ってきて欲しいとのこと。
そして出来うる限り目の前で異音を発生させて欲しいとの事でした。
再度、つくばへ
その後もローラーに乗るのですが何度か乗ると異音が発生します。
一度治り…また鳴り出す。そして再現が難しい時もあればこれでもか!って言うくらい音が鳴る時があります。
念のため、見ていただく前に少しだけ走って再現しやすく?しておきます。
とは言え霞ヶ浦を少し走っただけですが〜
不思議と霞ヶ関を走っている時には音が小さいです。
ここで大体パターンが読めて来ました。
・長く走ること。
・斜度の高い登りを走る。
・体重を掛けたペダルをする。
大雑把に言ってこの三つが重なると音が鳴るようです。
走り終わってForzaさんに入ります。
この日は東さんだけでなく店長の新井さんも心配して下さって私の話を聞いてくださいました。
ちなみに現象出しをしようと言う事になったのですがこの時点で東さまからスパイダーが怪しいとの推測をお聞きしました。
ただまだ憶測の段階で音を聞いて判断したいとのことです。
実走行で音を出すために東さんに御同行頂きながら走ります。
なるべく急な登りが良いことをお伝えしたところ斜度の違う坂を二つほどご紹介頂きました。その両方を走って見ます。
両方とも走ってみても…中々音が発生しません。
何度か走っていると少しずつ出始めました。
その時に東さんから止まっている状態で音を出して見てほしいと言われます。
前後ブレーキを掛けた状態からである角度からペダルを踏むとミシミシを音が出ます。
やっと鳴り始めました。踏む位置と角度が判明しました。
その状況で東さんがクランク付近を触り始まめます。
あのまま音を鳴らして〜
*この場面を写真に撮っておけば良かったと後悔しております。
結構、きついのですがそのまま踏ん張ります。
すると何度か鳴らしている最中に触診する場所を変えていたようで
特定出来ました。
と言われました。まさに触診!
両手で各部を触りながら音の発生源を探っておられました。
東さんの最初の予想通りスパイダーアームの緩みだそうです。
私のクランクセットは軽量化のために下記の構成にしております。
・S-Works製カーボンクランク
・シマノ製R9100のチェーンリング
上記を取り付けする為の特殊なLightning Bikes社性のスパイダーです。
当然締め付ける為の工具は普通常備しているショップは無いと思われます。
上の写真がそのセットです。
取り付け工具は右上のものです。
残念ながら私もこの日は持参しておりませんでしたので、後日お送りしました。
その後、ショップに戻りこのクランクセット作成の経緯と取り付け工具についてお話しをさせていただきました。
東さんからはきっと原因はこのスパイダーの緩みではあるが締め付けをした後少し様子をみたいとのお話しをいただきました。
理由としてはある程度、発生させる条件を掴んだので作業完了後に時間を置いて何度か見て再発を防ぐ為とのことです。
受け取りに参る
無事、症状の治りが確認できたとのメールを頂きました。
ちなみにその作業完了をお知らせ頂くメールには作業報告だけで無く分解、洗浄、組み立てを事細かに撮影した写真も添えられておりました。
*この記事の使わせて頂いている写真も東さんから送って頂いたものです。
また今回バラして組み直すことで音が出ていた部分が擦れていること、またその後がくっきり残っていることも突き止められたとの事でした。
ちなみにこの感合部のスレ、今回の組み付けに於いて問題になることは無いだろうとの見解を頂きました。
ただスレて削れていることは承知くださいともお話し頂きました。
余裕があればスパイダーをもう一つ買おうかと思います。
まとめ
実はこの問題が長引いてしまった一番の原因を作ったのは何を隠そうワタクシであります。
原因は大きく分けて二つあります。
・メーカーが推奨し得ない構成のクランクセットを使っていること
→この場合、多くのショップやメーカーでは対応してくれないと思われます。
・異音の発生箇所を勝手にBBであると勝手に断定して調査を依頼してしまった。
→結果、原因ではなかったかも知れないBBを分解して再取り付けをしてしまいました。
ではどうすれば良かったのか??
私なりに考えてみました。
・今起きていることを素直に伝える。
・発生している異音をその場で再現する。
・特異なパーツは使わない。
この3点に尽きると思いました。今回のクランクセットは特殊なので基本的に保証が受けられません。また特殊過ぎてトラブル等の対処方法やその他の情報が少ないと言えます。
やる場合には完全に自己責任です。
またトラブルが起きた際に何が起きているか?を正確に伝えることが重要です。
自分の思い込みで判断した内容を伝えると作業をしてくださる方の判断にバイアスが掛かってしまう可能性があります。
また正確な判断をしていただく為にも実際に起きている状況を(この場合は異音)正確に伝える必要があります。
具体的にどうすれば良いかと言うと
・出来れば音が鳴るなら鳴らすこと。
・それが難しい場合は不具合が起きる条件を正確に伝えること。
・再現性のある方法を提示して状況を共有することが必要。
だと考えます。
音であれば鳴らすことでその音の種類で不具合の原因を推測することが出来るようです。
長くなりましたが…私の場合、シンプルに
「異音がするので診てもらえますか?」
って言えば良かったと思います。
素人の意見でバイアスを掛けてしまい逆に手間を取らせる結果となってしまいました。
とは言え、やっとこの異音問題から解放されました。
Twitterではたくさんの方からアドバイスを頂き本当にありがとうございました。
あのアドバイスもいつかどこかで纏められたらと思います。
もし同じような症状でお悩みの方がいたら、参考になれば幸いです。
長々と書きましたがこれで以上となります。
最後までお読み頂き本当にありがとうございました!